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調剤補助C子が伝える「ファーマシーテクニシャンって何?」上級者編 ~ 患者様に寄り添い、スタッフの動きにも目配り。でき得ることを最大限に ~

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 調剤薬局で働く上で、最も大切なことは何でしょうか?
薬剤師、入力・事務スタッフ、ファーマシーテクニシャン・・・各々が向き合う業務は各自でやや異なるにせよ、見るべき先はみな同じ「患者様」です。
来局された患者様が必要とするお薬をお渡しすること。それも可能な限り早く!お待たせせず、正確に!
とても基本的かつ当たり前のことではありますが、薬局としての使命患者様をなるべくお待たせせず、必要な薬をミスなく確実にお渡しする」を常に共有し、共に働くのが薬局スタッフなのです。薬剤師だからといって、鑑査・投薬さえできていれば良いわけではありません。入力スタッフだからといって、入力さえ終わったらあとは知らんぷり・・・それも違います。ではファーマシーテクニシャンは?調剤補助スタッフだからといって、薬のピッキングさえ出来ていれば良いのでしょうか?答えはNO、むしろファーマシーテクシャンだからこそ気付くこと、できることが多くあるはずです。7年目を迎えた私目線の言葉で表すならば、これらは患者様および薬局スタッフ仲間への「観察力」「目配り」でしょうか。もっと言うと、人としての「想像力」かもしれません。とはいえ、最初からいきなりこれができる人は誰もいないでしょう。もちろん私も薬局に入り立ての頃は、見ている先はとにかく処方箋、ひたすら処方箋記載内容を読み解くのと、ピッキングした薬を鑑査に回すことで精一杯、周りのことなど目に入る余裕はありませんでした。まずはファーマシーテクニシャンとして「ミスのないピッキング力」「正しい計算力」「どの医薬品が、どの棚にあるのか覚える記憶力」といった必要最低限の領域をクリアしてこそ初めて、次のステップ「観察力」「目配り」が生まれてくるかと思います。
 たとえば薬局スタッフへの「観察力」は、とにかく入力者の手が止まっていないか?薬剤師が手助けして欲しいと感じていることは何か?という目線です。
ファーマシーテクニシャンとしてミスなく早くピッキングしつつ、自分の背中辺りにもう一つ別の“眼”があるような気持ちで、他のスタッフ仲間の状況も観察、手助けできそうなことがあれば、すぐさま行動に移すことです。入力スタッフが入力業務で手一杯でレセコンから離れるのが難しそうなときは、患者様の元へ処方箋を受け取りに行く、おくすり手帳やマイナンバーカード有無の確認をサッとやっておく・・・そんな些細なことでも良いのです。一つでも先に一つでも多く、薬局業務に着手しておくことが、ひいては患者様をお待たせせずに済むのですから。
 患者様への「目配り」は、薬局スタッフの一人として患者様に寄り添うこと。
「投薬終わっているはずなのに、なぜ薬局内にまだ残っているのかしら」「あのお身体の様子だと、薬を一人で駐車場まで運ぶのは大変そう・・・」等々、薬をお渡ししたあとも目配りは続きます。こうした観察や目配りは、来局者が処方箋を手に薬局内に入ってきた瞬間から始まり、薬を受け取ったあと無事に薬局外に出るまで続くと言えるでしょう。「名前のない家事」という言葉を時折耳にしますが、薬局業務にも名前のない業務が実はたくさんあるのです。「この仕事は入力スタッフの業務でしょ?」「これは、私の仕事の範疇ではないから知らないわ」そんな風に切り分けてしまうのではなく、「今、患者様のために、薬局スタッフの一人としてできることは何か」という目線を常に持ち合わせることが、薬局スタッフとして働き続けるコツ、やり甲斐にもつながるのではないでしょうか。

 これからお届けする内容は、「ファーマシーテクニシャンって何?」初級者編でお伝えした内容の続編として、読み進めて頂けると幸いです。
また上級者編といっても、決して高度なスキルや専門性が求められるのではなく、「早く正確にミスなく調剤」というピッキング領域の基本に慣れてきたら、少しずつで良いので「こんなことにも目配りしてほしい、挑戦してほしい」という思いで綴りました。 これから新たにファーマシーテクニシャンを目指そうと考えている方にも、決して肩肘張らず「薬局って、こういう仕事の仕方をしているのだなぁ」くらいの気持ちで読んでいただけると嬉しいです。 また私自身、未経験・無資格からスタートしたファーマシーテクニシャン業務なので、今もなお日々学びの多い毎日です。今後も引き続きファーマシーテクニシャン業務に邁進すると共に、調剤薬局で働く皆様が「どうすれば、より患者様に寄り添うことができるのか」「患者様に寄り添うべく、日々のゆとりを生むためには、薬局業務のどのような点に/どうIT技術を活用すれば良いのか」といった視点で、調剤補助C子として発信し続けてまいります。

★上級者・スペシャリスト目指す編 ~ 慣れてきたら、こんなこともできるとさらに嬉しい ~
《ファーマシーテクニシャンとしての観察・目配りポイント》

【1】医薬品在庫、メーカー動向を知っておく  ・・・どのメーカーが欠品か/どれなら入力・調剤できるか/終了間近のメーカーは?
【2】入力スタッフが困っていないか見極める ・・・入力すべきメーカーや規格はどれか/在庫はあるか/加算はどれを付けるのか?
【3】ヘルプ薬剤師が困っていないか見極める ・・・自店舗では見慣れない処方がきたら?/この混合、一体どうすれば?
【4】適正な発注に向けた処方数量傾向を知っておく ・・・この薬、どのくらいの量/どれくらいの頻度で/処方されている?
【5】患者様のご意向や来局パターンを知っておく ・・・ この時間帯に来局/待つのを厭わない/複数科受診が多い/郵送希望が多いetc
【6】薬剤師独自のこだわり、サポートのツボを知っておく ・・・ どの部分を/どれくらい手伝ってほしいのか/どこまでの業務を任せたいのか?

《その他 番外編》
●近隣薬局の薬剤師とのコミュニケーション・・・発注のコツ、卸の状況などについて情報交換
●少しでも手が空き、隙間時間が生まれたら積極的に薬剤師へ声掛け・・・期限間近、廃棄薬の記録、分包バラシ、薬歴作成の下書き等

※「ファーマシーテクニシャンって何?」初級者編はこちら
※薬局勤務未経験の私が、ファーマシーテクニシャンに就いたきっかけ・経緯はこちらロング版もあります。

執筆:mediLab広報・調剤補助C子<薬局あるある話>

採用薬メーカーと在庫

【1】医薬品在庫、メーカー動向を知っておく  ~ 最新情報の把握によりスピーディーな入力調剤へ ~

 長引く出荷調整の影響により、自店舗の在庫状況を常に把握しておくことが、ピッキング領域においては非常に大事です。たとえば、
・同じ薬でもメーカーA社のものは在庫あり、B社のものは入荷未定。この処方が来たら当面、A社のもので調剤。
 ・カルベジロール錠2.5㎎は、A社からB社への切り替え決定済み。まずは終了間近A社のものから先に使い切る。A社の在庫が残り何錠か、日々把握しながら調剤。
 ・先発品のリマチル錠は在庫ありだが、後発品のブシラミン錠は入荷未定。処方がきたらリマチル錠で入力・調剤。

 こうしたメーカー・在庫状況は、日頃からあらゆる薬を実際に手にしているファーマシーテクニシャンだからこそ、常に最新状態を知り得ていると言えるでしょう。厄介なのはこれらの情報が日々刻々と変わり、「えっ、先週まで××がないと聞いていたから△△で入力していたのに・・・××が入ってきたの?いつの間に?」というのも、薬局あるあるですね。こうした現場での混乱を防ぐためにも、ファーマシーテクニシャンとして把握済みの在庫情報・メーカー動向の最新版を常に入力スタッフにも早めに共有しておきましょう。「この情報知らなかったから、うっかりこれで入力してしまった」「調剤は終わっているのに、入力やり直し、出し直しがまた発生してしまった」ということが起きてしまうと、最終的には患者様を余分にお待たせすることにつながってしまいます。
 また出荷調整中の医薬品といえども、「1000錠1箱は難しいが、100錠箱なら来月頭に入りそう」「シートは厳しいが、バラ錠なら入る」など、薬によって卸によって、入荷状況も日々変化することもあるため、日頃から卸とのコミュニケーションを大事にしつつ、薬剤師にも相談しながら、あらゆる方法による発注を試みていきましょう。

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【2】入力スタッフが困っていないか見極める・・・入力すべきメーカーや規格はどれ?在庫や加算は?

 ピッキング業務に慣れてくると、いわゆる先調剤をすることが多くなってきます。特に新患登録で入力に時間がかかりそうな処方箋予製のない一包化などは、入力スタッフが処方箋入力を始める前に、とにかく1つでも多くの薬を先にピッキングし始めておくのがコツです。先調剤しておくメリットは、どこにあるでしょうか。一つは、先調剤により、その後のピッキング作業効率化が見込まれることです。ファーマシーテクニシャン業務においては、1枚の処方箋を何事もなくスムーズに調剤できることの方が少なく、「一部在庫不足の薬は、どこからどう集める?」「分2だから半割しなくちゃ」等々、ピッキング途中で様々な追加作業や課題に直面することが予想されます。一つでも多く一つでも先に調剤しておくことは、のちのちの焦りやプレッシャーをできる限り減らし、自身の精神的な安堵感にも繋がるので、業務に慣れてきたら少しずつ先調剤の目線も入れていきましょう。
 先調剤しつつ目配りしておきたいのが、入力スタッフの入力中の手元です。何か困って入力の手が止まっていないか、レセコン背後から様子を伺い、サポートの必要があれば声を掛けていきましょう。「この間まで出荷調整中だったクエン酸第一鉄って、今もまだフェロミアで入力でいいかしら?」「カルボシステイン錠250㎎は在庫なしだったような・・・」入力時にまつわるそんな疑問や不安が次々と出てくるはずなので、調剤室から入力スタッフの様子を伺うことは、ファーマシーテクニシャンとして大事な要素です。また来局者から処方箋受付けした際、処方薬の在庫有無について患者様から確認されたら、入力スタッフに代わってファーマシーテクニシャンが回答する方がより確実なことも多いです。他にも、半錠処方があったら、該当する半分の規格が存在するのか/それとも半割すべきか」「半割したら、自家製剤加算は取れるのか」など、入力スタッフに迷いや疑問が生じそうな時は、隣でサッとサポートしていきましょう。ちなみにmediLabの「まもる君」は、このような情報を処方箋OCR時点でAIガイドによりスタッフ皆様にお伝えすることも可能です。

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【3】ヘルプ薬剤師が困っていないか見極める・・・ヘルプ勤務中、不安なくスムーズに業務専念できるようサポート

 どこの調剤薬局でも人手不足のため、他店舗からのヘルプ薬剤師をお願いする機会がよくあるかと思います。私の勤務先薬局でも、薬局長公休の日などはヘルプ薬剤師が来てくれるのですが、2年目くらいの新人さんから中堅まで経験値も様々、毎回同じ方が来てくれるとは限らず、はじめましての薬剤師さんも大勢います。また同じ会社でも店舗によって勝手が違うことも多いようで、様々な場面においてヘルプ者が戸惑いを感じている様子を目にします。たとえば「うがい薬のこんな混合調剤、うちの店舗ではやったことないけれど、どうすれば?」「普段、自店舗では扱っていないこの薬、出荷調整中かどうかわからない」「分包機の仕様が違うから、一包化がくると一瞬戸惑う」等々はよくある事例です。時間帯によっては自店舗薬剤師ゼロ、薬剤師はヘルプ者のみ、あとは調剤補助の自分だけというパターンもあるため、そんな時はヘルプ薬剤師の方が困ることのないよう、全力で支えます。いくら薬剤師とはいえ、初めての店舗で見慣れない薬の鑑査・投薬・・・不安があって当たり前ですよね。そんな時は備品のありか、不足薬が生じた際の入荷見込みの共有はもちろん、「カレンダー管理のあの患者さん、次回来局予定はいつ頃か、投薬時に確認してください」とお願いしたり、「あちらの患者さん、これとこれだけシートで持ち帰り、あとは後日郵送の方なので、今慌てて分包しなくてもOKです。」など、患者様固有の情報を早めに伝えることも忘れてはなりません。こうした目配りは、へルプ薬剤師へのサポートであると同時に、その日不在だった自店舗薬剤師が後日困ることのないように、という目線によるものです、そして何より、やはり患者様のためにが一番なのです。

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【4】適正な発注に向けた処方数量傾向を知っておく

 初心者編にて、発注もファーマシーテクニシャンの大事な仕事の一つであるとお伝えしました。調剤薬局におけるスタッフ構成は、現場によってまちまちかと思われますが、たとえば一人薬剤師の時間帯を中心に、圧倒的に薬剤師の人手不足となる状況においては「薬剤師には、薬剤師にしかできない業務に集中して欲しい」という思いがあります。薬局業務の中には「薬剤師でなくてもできる業務」がいくつか存在し、その一つが発注業務であると考えます。日頃から店舗内のあらゆる棚からピッキングを行うファーマシーテクニシャンはある意味、その日店舗から出ていった医薬品量、種類を一番把握しているスタッフとも言えます。ピッキングを通じて得た情報を元に「必要なものを必要な分だけ」適正量発注することで、ゆくゆくの廃棄品や余剰在庫、返品の削減にもつながります。
 たとえば患者Aさん一人にしか処方されていない医薬品B、しかもAさんの次回来局予定が3ヶ月後で、その間に棚卸が予定されていたら・・・今すぐ医薬品Bを発注するのではなく、棚卸後に処方予定量を発注する方が適切ですね。ただしこうした発注業務をはじめ、「薬剤師でなくてもできる業務」のいくつかは、時として、対応するスタッフの記憶や経験値に依存することも多く、場合によっては発注過多やタイミングの勘違いなど、いわゆる発注ミスにもつながりやすい業務と言えます。なお、こうしたミスが起きやすく、薬局スタッフの負担になりがちな薬局業務をより楽に、より正確に実施できるよう、AI活用による解決策はないものか、といったことを日々考えているのが我々mediLabでもあります。

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【5】患者様のご意向や来局パターンを知っておく

 薬局で働き始めたばかりの当初、一緒に働いていた薬剤師が「〇〇さんはね、大抵14時すぎに息子さんと一緒に来局されるから、今はまだ急がなくても大丈夫。」「××さんは必ず車で来局されるから、重たいエンシュアも全量揃えてお渡しする方がいい」等々、あれだけ大勢の患者さんがいるにもかかわらず、顔と名前が頭に入り、一人一人の薬受け取り時の特徴やパターンなどを知り尽くしている様子に「薬剤師さんって、すごいなぁ」と感心した記憶があります。
 そんな私もファーマシーテクニシャン7年目を迎え、定期的な来局患者様のことはだいぶ頭に入り、記憶化されてきました。投薬が終わる頃にご家族のお迎えがある方、どんなに混んでいても待つことを厭わずその場で一包化を待つ方、ヘパリン類似物質油性クリームの処方が出たら25gチューブと100gツボ両方合わせて持ち帰り希望される方、共に複数科受診のご夫婦は先にいったん一科のみ処方箋を預け、別科受診のため再び病院へ戻る等々・・・来局パターン、調剤の仕方やリクエストなど患者様ごとの傾向を掴み、頭に入れることで、より早くよりスムーズな調剤が実現できます。患者様目線から見ても「この薬局、色々とリクエストを聞いてもらえて安心」となりますね。ファーマシーテクニシャンに限らず、患者様から直接処方箋を受け取ることの多い入力スタッフは、さらに患者様の傾向や来局パターンなどをよく理解しています。薬局スタッフ全員一人一人が「患者様のために」という意識のもと、より高い連帯感をもって、薬局業務に取り組むことができたら最高だと思いませんか。

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【6】薬剤師独自のこだわり、サポートのツボを知っておく

 ファーマシーテクニシャンだからといって、何でもかんでもサポートすれば、薬剤師みなが喜ぶとは限りません。良かれと思って余計な手出しをしてしまった結果、まさかのミスに繋がってしまったら・・・薬剤師にとって、迷惑千万以外の何物でもありません。実際、私も処方箋の見方すらよく知らなかった、まだファーマシーテクニシャンになりたての頃、混雑する中で受けた薬剤多めの一包化処方で、少しでも薬剤師の手助けになるならばと勝手にシートを開けてしまったのが、なんと一包化不要の薬でした。当然「なぜ開けた?!」とお咎めを受け、至極反省したものです。忙しい薬剤師を助けたい思いで、良かれと思って手を出すなら、「この薬、開けても良いですか?」と一言、薬剤師に事前確認すれば良いのです。

 薬剤師によって「何をどのように手伝ってほしいのか」、サポートのツボを抑えておくことも大事です。一見、負担多めの一包化でも、中には「それ、むしろバラシてくれない方がやりやすい」という人もいます。薬剤師によっては、バラスターでシートをゴリゴリ開けて渡すのは、90日分など長期処方ではありがたくても、28日分程度の量であれば自分の手で分包機の上からバラバラ落としていく方が楽という人もいます。もちろん逆パターンもあり、「とにかく手伝ってほしい。全部開けて!」という薬剤師もおり、この辺りのニュアンス、思考の見極めができてくると、さらにファーマシーテクニシャンとしてのお手伝いパワーを効果的に発揮できるようになります。この見極めを的確に行うには、たとえば一包化であれば、日頃から「どんな風に一包化しているのか」、薬剤師ごとにその様子をよく観察しておくことです。軟膏混合においても、ミックス自体に手を出すことが許されなくても、5gチュープ2箱分(20本)開けなくてはならない処方があれば、1本ずつ数を確認しながら蓋を開け、中身をグルグル出しておくだけでも、薬剤師にとって助かるはずです。自分自身のピッキング業務が終わったらそれでおしまい!ではなく、何か1ミリでも多く、他に薬剤師をサポートできることはないかという目線を忘れずに常に「目配り」していくことが、最終的には薬剤師の手助けと共に、患者様の待ち時間短縮にもつながるでしょう。
 日本におけるファーマシーテクニシャン業務はいまだグレーゾーンである部分も多いゆえ、会社や店舗によってまたは上司によって、ファーマシーテクニシャンに任せる業務範疇や考え方も各所で異なり、「バラすところまでお願い」「半錠の撒きもお願い」「半割すら、薬剤師でないとNG」など、まちまちなのが現状です。ファーマシーテクニシャン歴が長くなり、それなりの経験値が積まれてくると、当然のことながら薬剤師からの信頼も増していき、より一歩踏み込んだ業務の任せ方になってくるのではないでしょうか。もちろん「ミスなく正確に」できることが大前提なのは、言うまでもありません。大切なのは、薬剤師とのコミュニケーション忙しい薬剤師が「ファーマシーテクニシャンに求めていることは何か?」。混雑時、一人薬剤師時間、ヘルプ出勤時など、薬局現場の状況によっても変わってくるでしょう。当たり前のことではありますが、常にコミュニケーションを取りながら、互いに確認しあうプロセスは欠かせません。

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まとめおよび<番外編>

 いかがでしたでしょうか。初級者編と上級者編との間に存在するのは、高度なスキルや高い専門性ではなく、ほんの少しの目配りができる精神的ゆとりがあるかないか、それくらいのちょっとした違いにすぎません。
ファーマシーテクニシャンの場合、たとえ薬局が混雑していても冷静に業務と向き合いつつ、ほんの少しの精神的ゆとりをもたらすには、まずは最低限、自店舗の棚の医薬品のありか、名称、規格、ジェネリックの有無といった、採用薬の把握と理解が必要です。そのためには初級者編で述べたとおり、1枚でも多くの処方箋をピッキングしようとする貪欲さ、学習意欲も求められるでしょう。
なお<番外編>とはなりますが、以下のようなこともできてくると、さらにファーマシーテクニシャンとしての醍醐味、やり甲斐につながってくるかと思いますのでご紹介しておきます。

●調剤お断りせざるを得ない場合も、ほんの少しでも患者様に寄り添う・・・
出荷調整中の薬とはいえ、「うちでは調剤できません」といきなりお断りするのは、患者様への寄り添いとはかけ離れています。混雑状況によっては難しいこともありますが、もし少しでも余裕あるタイミングであれば、近隣薬局に患者様紹介が可能か尋ねる/近隣でなくても、似たような処方を出しそうな医療機関近くの薬局に尋ねてみる等、せっかく来局された患者様のために何かできることを考えてみましょう。とはいえ、一人の処方箋だけに時間をかけるのはやり過ぎなので、寄り添いバランスの見極めも大切です。

●近隣薬局とのコミュニケーション・・・
薬の買取り相談や患者紹介のTELやり取りを通じ、薬剤師よりもむしろファーマシーテクニシャンの方が近隣薬局の薬剤師やスタッフと仲良くなるチャンスがあります。発注のコツ、卸の動向などについて情報交換できたら、ぜひ薬剤師にも共有していきましょう。

●隙間時間があれば、積極的に薬剤師に声掛け・・・
少しでも手が空いたら、ボーっとするのはもったいないです。そのあと、いつまた再び混み始めるか予測できないのが調剤薬局なので、できることはできるうちにやっておきましょう。薬剤師のお手伝いはいくらでもあります。ファーマシーテクニシャンとして、薬局スタッフの一人として、でき得る業務があれば、積極的に声掛けしていきたいですね。期限間近の薬、廃棄薬の記録などは、ためてしまう前に少しずつ進めておくのがコツです。不要となった分包バラシ、薬歴作成の一部下書きなどもできるタイミングでやっておくと、のちのちの薬剤師業務の負担軽減につながります。薬歴の下書きについては、mediLabの薬歴らくらくAI「Kakeru君」がサッとお手伝いできるので、ご関心ある方は是非こちらからお問い合わせください。

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