mediLabコラム

AIの個別カスタマイズにダミーテキストですダミーテキストです

トホホ…「薬歴AI」が今のところ使えないケース【3選】 〜薬歴音声入力AI「Kakeru君」はトホホがなくなるかも?

Facebook X LINE

はじめに:薬歴AIも万能ではない

02

 近年、薬歴AIが注目を集めております。先日ご紹介した<この記事>でも取り上げました通り、生成AIや薬歴AIに関する話題が絶えません。その技術革新は目覚ましく、万能で空も飛べるかのような印象さえ受けます。しかしながら、一度でも薬歴AIを利用された方であればご理解いただけるかと存じます。そのような魔法のようなものではございません。もちろん、利便性が高いケースも多くございます。例えば、新規の患者様において薬歴作成を行う際、業務負担が大幅に軽減されることは間違いありません。薬歴音声入力AI「Kakeru君」は、もはや手放せないツールとなるでしょう。

一方で、現状ではまだ対応できていないケースもございます。今回は、そのようなケースを3つご紹介します。そして、mediLabがどのような開発を行い、どのように課題解決に取り組んでいるのか、概要のみではございますが、ご説明させていただきます。(実際の発表は機能リリース時にあらためて、コラムにて弊社AIオタク社長の松田が発表いたします。ぜひXなどのフォローもお願いいたします。)

02

【トホホ1. 】毎回お変わりのない患者さん

 月に一度の定期受診、顔なじみの患者様。指導内容も毎回ほとんど変わらず、気づけば「いつものですね。」とお決まりの会話だけで終わってしまう。患者様も早く帰りたそうな素振りを見せ、こちらも特に新しい話題を見つけられず、気まずい沈黙が続くこともしばしば。
結果として薬歴も「お変わりないですね」と希薄なものに…。重要な情報を見逃してしまうリスクが高まり、患者さんの健康管理に必要な“気付き”を得る機会を失ってしまいます。このような状況では、薬剤師としての専門知識を活かすことが難しくなり、次回の指導の質も低下してしまいます。

02

【トホホ2. 】家族の処方箋を同時にまとめて持ってくる患者さん

 同じ屋根の下で暮らす家族は、風邪やインフルエンザなどの流行病をもらいやすく、結果として家族全員がまとめて受診することが多くなります。このような状況では診察結果も似通ったものとなり、処方される薬の内容もほぼ同じで、用量だけが異なるケースがしばしば見受けられます。さらに家族間で名前が似ている場合、薬剤師が調剤過誤を起こすリスクが高まります。

 調剤の際には、薬剤師は細心の注意を払い、患者ごとの処方内容と用量を慎重に確認します。しかし指導の場面になると、効率を優先して内容が似ている患者にはまとめて説明しがちです。この場合、個別の重要な情報が省略されたり、混同されたりする可能性があります。音声認識を利用する際、一回の指導で複数人の指導の音声データが記録されることで、誰に対する指導内容なのかが曖昧になりやすいという課題があります。例えば「この薬は食後に1日3回服用してください」と指導した際、どの家族の誰に向けた説明だったのかが記録上で不明瞭になることがあります。

02

【トホホ3. 】複数種類の薬剤が一包化されており、「この赤いカプセル」「その白い錠剤」と指示語でお薬をご案内する必要のある患者さん

 たくさんの薬を服用中の患者さんに対して薬剤を一包化して提供することは服薬の簡便さを高める有効な手段ですが、薬効の説明において課題が生じることがあります。たとえば「赤いカプセル」や「白い錠剤」、「朝の薬」などの曖昧な指示語を使用することで、患者さんがどの薬が何のためのものかを正確に理解できないことが多くあります。このような説明では、薬の重要性や服用意義が十分に伝わらず、結果として却って服薬アドヒアランスの低下を招くことも。さらに、曖昧な表現は記録の不正確さにもつながります。指示語が具体性に欠けるため、薬歴が曖昧になり、情報共有に支障をきたす可能性があります。これにより、患者さんへの継続的なケアやフォローアップが難しくなることも。

「薬歴音声入力AI」Kakeru君での取り組み

 <こちらの記事> でも触れました通り、mediLabは「最先端技術を使って薬局現場課題を解決する」ことが得意なチームです。これらの【トホホ】についても真っ直ぐに向き合い、技術的にどのような解決ができるかを日々検討・実験しております。以下に、少しだけ現在の取り組み概要も共有しますね。

【トホホ1.】お変わりのない患者さん 
処方されている医薬品内容から、指導すべき内容を服薬指導中に支援する機能を準備しています。

【トホホ2.】家族の処方箋を同時にまとめて持ってくる患者さ
複数人の服薬指導であることを「Kakeru君」に伝えることで、一つの音声から複数の患者さんのSOAPを作成する機能を準備しています。

【トホホ3.】複数種類の薬剤が一包化されており、「この赤いカプセル」「その白い錠剤」と指示語でお薬をご案内する必要のある患者さん
医薬品ごとの見た目の特徴をKakeru君に学習させることで、“こそあど”言葉を使った場合でも、医薬品名を特定する機能を研究開発しています(こちらはやや難易度高めで、ハルシネーション等と日々戦っています)。

終わりに

 薬歴AIが現状では「トホホなケース3選」をご紹介しました。しかし、これらの課題に対してmediLabでは着実に解決策を開発中です。薬歴AIの技術は日々進化しており、現在の限界はやがて克服されるでしょう。特に薬歴音声入力AI「Kakeru君」は、これらの課題に真摯に向き合い、薬剤師の業務効率化と患者ケアの質向上を目指しています。 今後もKakeru君は進化を続け、薬局現場の多様なニーズに応えていきます。ぜひ一度、Kakeru君をお試しいただき、従来の薬歴AIとの違いを体感してください。私たちは薬剤師の皆様と共に、より良い患者ケアを実現するためのパートナーでありたいと考えています。最新情報は公式サイトや各種SNS( X(旧Twitter) / Instagram / 公式LINE)で随時発信していきますので、ぜひフォローをお願いいたします。薬局業務の未来を一緒に創っていきましょう。「Kakeru君」お試しご希望・お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

詳しくは
こちら♪