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医療DXとマイナ保険証の推進 ~ 薬局として行いたい “患者さんへの正確なメリット説明” できていますか? ~

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マイナ保険証、活用できていますか?
薬局は、オンライン資格確認が原則導入となり、カードリーダーは設置したものの、そもそもあまり活用できていないな…
マイナ保険証の利用率を上げるように言われているけれど、患者さんにメリットの説明がしっかりできないな…
などと感じていませんか?
そもそも、マイナ保険証はただの保険証代わりではないのです!

執筆:薬剤師 小野智士


保険証とレセプト

オンライン資格確認とは

 多くの場合、薬局では健康保険を利用した調剤を実施しています。
患者様から頂戴する自己負担分を除いた保険負担分は、保険情報をもとにレセプト業務を実施して請求しています。
この時、保険情報が有効でない場合はレセプトが返戻となります。
返戻レセプトの再請求作業は結構大変ですよね。
キャッシュフローの観点からしても、請求分の支払いが滞るのは避けたいところです。

 実は保険者側でも同様に返戻にかかるコストは非常に大きく、この無駄を削減することを目標に掲げ導入されることが決まったのがオンライン資格確認システムです。
これは保険情報をもとに、確認時点でその保険が有効なのか無効なのかをチェックするための仕組みとなっており、同時に入力時の性別や本人・家族の誤り、負担割合の設定誤り等についても確認できるようになっています。機能拡張することで医療扶助を利用した患者様の資格確認も実施できるようになっています。このシステム導入により、できるだけ無駄な作業を省くことを目的とするのがオンライン資格確認です。
※システムへの反映に時間がかかる保険者の場合、資格確認実施時点では有効でも、後から無効となる可能性があります。

マイナ保険証とカードリーダー

マイナ保険証とカードリーダー

 そもそも患者さんがマイナ保険証をカードリーダーにカードをかざすと、何が起きるのでしょう?

マイナ保険証を利用する場合、
 ①マイナンバーカードを持っている
 ②顔認証 もしくは 暗証番号認証を照合する


ことにより、本人であることを確認する仕組みになっています。 よく「裏面に書かれたマイナンバー自体が薬局に渡ってしまうのではないか?」という心配の声を耳にしますが、カードリーダーが読み取っているのは利用者証明用電子証明書、券面の顔写真のみであるのでその心配はありません。 マイナンバーカードは情報そのものではなく、あくまでもその鍵の役割を果たすものなのです。 きちんと説明できるとより安心して利用していただけるかもしれませんね。

 なおマイナ保険証を暗証番号認証で利用する場合、3回連続で間違えてしまうとロックがかかってしまいます。 発行した自治体の窓口にて手続きを行うことでロックを解除できますが、ロックされている間は顔認証でのみ保険証として利用できますので注意しましょう。 また、マイナ保険証を利用するための利用者証明用電子証明書は ①発行日から5回目の誕生日 ②マイナンバーカード自体の有効期限 のいずれか早い方で使用できなくなりますので、更新時期が近づいたら早めに手続きをしておきましょう。
 ※どうしても顔認証、暗証番号認証を利用できないときのために、カードリーダーには一時的に切り替えて使用するための目視確認モードが用意されています。詳しくはお使いのシステムのマニュアルをご覧ください。

オンライン資格確認とカードリーダー

情報取得後の流れと活用法

 さて、読み取られた情報はどのように活用されているのでしょうか?この情報は、カードリーダーが接続された資格確認PCに取り込まれます。資格確認PCは秘匿された専用ネットワークを経由し、社保・国保が保有するオンライン資格確認等システムに接続されています。資格確認PCは、取り込まれた情報をもとに「資格確認要求ファイル」を生成します。資格確認等システムに「資格確認要求ファイル」を送信すると「資格確認結果ファイル」が返され、これをもとにレセコン内で保険情報の照合を行います。

健康診断結果の情報提供

保険情報をもとに実施するオンライン資格確認との違い

 多くのレセコンでは、マイナ保険証の提示がなくても、生年月日と保険情報があればオンライン資格確認が実施できるようになっています。 こちらでも保険に関する情報の確認ができますが、マイナ保険証との違いはどこにあるのでしょうか? 実はマイナ保険証利用時のカードリーダーに表示されるメッセージに関係しています。 マイナ保険証利用時、カードリーダーでは
 ①今までに服用している薬剤情報
 ②特定健診の記録(40歳以上のみ)
 ③高額療養費制度の利用と限度額情報


の提供について同意を求められます。
ここで同意が得られている場合には、その情報を取得することが可能となります。 これが保険情報をもとに実施したオンライン資格確認との大きな違いとなります。

これにより継続的に服用している薬剤をチェックする、特定健診時の内容を確認する、限度額証明証がなくても高額療養費を適用するといったことが可能になります。
※電子処方箋が普及するまでの間はレセプトベースの情報となるため、反映されるまでに3ヶ月程度要すること、健康保険を利用しない情報は反映されないことに留意が必要です。 ただし、①②の情報は自動的に取得される事はなく、同意を得てから24時間以内に取得操作を実施する必要があります。(詳しくはご利用のレセコンソフトのマニュアル等をご確認ください。) あとからトラブルとならないよう、同意が取れた情報はきちんと活用して業務を実施したいところです。

電子処方箋

オンライン資格確認と電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス

 ここまででメリットについてはご理解いただけたかと思いますが、目的に対してコストをかけすぎではないかとお感じになられてはいませんか?そう感じられた方、鋭いです。 実はこの仕組みは医療DXを推進していくための基盤となる仕組みであり、ここに電子処方箋をやり取りする仕組みや電子カルテ情報共有サービスが接続されていく等、今後機能を増やしていく予定となっているようです。 このため、薬局のみならず全ての医療機関がこの仕組みを利用できるようになることが求められています。

薬局側としても、スタッフ皆様一人一人がしっかりと理解し、取り残されないようにしないといけませんね。 mediLabでは皆様の知りたい情報を定期的にお届けしております。実際に調剤薬局現場で働く薬剤師、入力スタッフ、調剤補助スタッフも在籍しておりますので、何かご不明の点がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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「まもる君」