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医療DXが患者の背中を押してくれた話

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2025/06/27

医療DXがテリボン皮下注への恐怖を払拭

医療DXが患者の背中を押してくれた話

 私事ではありますが、定期的に母の受診に付き添っています。きっかけは、4年前の思いがけない背中の圧迫骨折。何とか独り暮らしはできているものの、単独での外出や受診は難しい状態です。これまでの整形外科で毎度決まって処方されていたのが、骨粗鬆症治療薬としてリセドロン酸Na錠75mg、他にアルファカルシドール、胃腸薬など。真面目にきちんと服用し続けてきましたが、圧迫骨折により下がってしまった内臓が食い込むような痛み・違和感が和らぐことはなく、オーダーメイドのコルセットにも慣れず、受診は予約しても常に2時間以上の待ち時間…先の見えない治療が続く中、Dr.による問答も「お変わりないですか」とそれこそ毎回変わりなく、大変な思いをして服薬や通院を何とか頑張っても、同じ会話と同じ薬の繰り返し、身体改善の兆しもなく、徐々に精神的にも疲れが出始めてきました。そんな経緯もあり、思い切って整形外科をチェンジしてみることに。

 新たに訪れたクリニックでは、これまでの治療内容確認後、Dr.による受診自体はサッと終わってしまったのですが、そのあと現れた看護師がかなりの凄腕でした!お薬手帳と照らし合わせながら、これまでの服用薬を一つ一つ確認、リセドロン投与期間の長さを指摘しながら、テリボン皮下注への切り替え提案をされたのです。実はテリボンの話は、最初にかかっていた整形外科でも一度だけ出たことがあったのですが、「自分で注射するなんてムリ」と母が言った瞬間、その話は立ち消えに。ところがこの凄腕看護師さんは、「シャチハタと同じよ。シャチハタ押せるでしょう?それと同じ原理だから、皆さんできてますよ!」「何より皮下注射だから、内服薬よりも効果得られやすいし、骨がシッカリしてくる実感が得られてくるの」「良かったらこのあとお会計待ちの間、娘さんと一緒にこの動画見てみて~。やり方や治療期間など、よくわかるから」「これ見て、やはり無理そうと思ったら、またその時に別の方法考えましょ!」と言って、タブレットとヘッドホンを手渡されたのです。半信半疑で動画を見始めた私達親子、「えっ?こんな簡単?」「こんな一瞬で注射終わるの?」と呆気ないくらいの話に、動画見終わる頃には「これならできそう!」と注射恐怖症の母の気持ちも一変。

「確かに、何とかできそうな気がしました!」と早速伝えたところ、凄腕看護師さんも嬉しそうに「良かった~では、すぐに下の薬局に在庫聞いておくわ。在庫あれば今から患者さん行くって伝えておくから」「そうと決まれば、娘さんと一緒にこの練習用キットで注射体験もしてみましょ」と、本物そっくりの練習用キットも手渡され、親子並んでガシャン!とお腹に注射体験まで。確かにシャチハタでしたね、あれは。

 こうしてあれよあれよという間に話が進み、凄腕看護師さんによる薬局連携もスムーズにいき、看護師さんと私が見守る中、ドキドキしながらも母自身の手による1回目の注射が見事完了。「きっとまた同じ薬出されて、同じような話されて終わりだよね」と高をくくっていた私達親子にとって、まさに「医療DXが提供してくれた価値」を身を持って実感した瞬間でした。何より、母にとっても「難しそうと思い込んでいた皮下注射が、自分にもできるんだ!」という自信にも繋がり、今後もずっと続く骨粗鬆症治療の道に明るい光が照らされたようで、これまで曇りがちな様相で毎度の定期受診を終えてきた母の表情にも変化が生じ、付き添った私自身、少し心が軽やかになりました。

 「いつもと同じ薬だから安心。薬が変わると不安」「いつも同じでずっと変わらない薬。だからといって、身体の調子が好転する兆しも見えず、本当にこのままの治療法で良いのか不安」等々、患者様によって様々な感じ方をされるかと思います。実際そう思っても、そう心の中で感じても、そして受診時に私のような付き添いがいたとしても…こうした思いや不安は、意外と医療者の方に伝えにくいものですよね。Dr.に残薬を伝えることができず、薬局で初めて告白する患者さんも大勢いらっしゃるくらいですから。今回のテリボンの話は、まさにそんな患者の思いに、医療DXが応え、背中を押してくれた出来事でした。あわせて“医療DXを現場で正しく使いこなす”凄腕看護師さんの熱意、明るい励まし、患者への寄り添いに脱帽です(ちなみに練習用キットを用いての注射体験には、クリニック休憩時間を利用して対応して下さり、感謝しきりです)。これから2年間続くテリボン皮下注による治療中、時として新たな不安も出てくるかもしれませんが、その時はこの凄腕看護師さんに、迷わず相談するつもりです。

 これは、まさに医療現場における顧客体験の一つと言えるのではないでしょうか。mediLabはこうした顧客体験を一人でも多くの患者様に味わって頂きたい。そしてこの顧客体験実現のため、医療従事者皆さまのお手元に、AI技術を活用した医療DXをご提供すべく、熱意もって本気で取り組んでまいります。

<2025.6.27>

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