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ユーザ薬局様にズバリ聞きました!薬歴音声入力AI「Kakeru君」導入の決め手

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 おかげ様で薬歴音声入力AI「Kakeru君」リリースより半年が過ぎ、各ユーザ薬局様よりご好評いただいています。今回、リリース当初より導入頂いている管理薬剤師S氏の元をお訪ねし、他社薬歴AIサービスとの比較、薬歴業務の変化、「kakeru君」に寄せる今後の期待など、お話を伺ってきました。mediLabとの出会いは、某学会ブースでの講演会視聴の際、弊社AIオタク社長と偶然隣り合わせ、その場で意気投合したのがきっかけだとか。以降、薬局DXの進め方やAI技術を用いたプロダクトづくりなど含め、互いに気軽に連絡・意見交換しあう仲となり、今回のインタビューも「Kakeru君」ユーザ薬局のお一人として、喜んでお受け下さいました。

<参考データ>
◆S氏在籍の薬局属性◆ 関東圏の一人薬剤師、事務スタッフなし。在宅訪問含め、日々多忙な毎日。
◆これまでの薬歴AIご利用状況◆ ビルトイン型の薬歴AIサービスをかれこれ7年ほど利用。 ベンダー側の示すいわゆる“最適な使用法”や“用意された定型文”に、薬剤師側が合わせる形で使用。


定型文に沿った薬歴作成

1.「Kakeru君」導入前の薬歴業務:
1.1 従来の薬歴作成法

 これまでは鑑査の時点である程度、ベンダー側の示すいわゆる“定型文“に沿った会話文を想定し、それに基づいた服薬説明を実施してきました。どちらかというと「定型文から逸れないように」という点にエネルギーを注ぎ、留意しつつ話をしてきたと言えます。確かに、これに沿ってさえ話をしておけば、服薬説明自体も早く完了でき、同時に患者さんも早く帰ってくれるため、特に目立った不満を抱いていたわけではありません。実際、これだけでも服薬説明終了時点で、ほぼ薬歴の7割程度は完了していたと言えます。
 従来の薬歴作成の具体的手順としては、ガッツリ書いた方が良い患者については前述のような「定型文に沿った進め方」の後さらに掘り下げ、それ以外の患者については、とりあえずサラッと終了していた感があります。掘り下げ方としては、以下のような感じでしょうか。

1.2 従来の薬歴作成手順

■ヒアリング内容を自分なりに要約、音声入力で薬歴にSとして入力
■前回との変更内容や患者持参の検査結果をOとして入力、服用状況や処方内容についてフォローすべき点をピックアップし、その過程をAに記載
■薬効・使用方法や注意点、副作用などの説明、フォローすべき点について、実際に指導した内容をEPに記載(薬歴内収録定型文の力を借りることもあり)
■今回フォローしきれなかった内容、次回もフォローすべき内容、次回来局までのフォローアップ計画をOPに記載
■中長期的にフォローすべき内容についてはCPに記載

Kakeru君を使ってみたメリット

2.「Kakeru君」との出会いと決め手
2.1 まずは他社サービスとの比較から

 従来のビルトイン型薬歴AIシステムを利用当時、「患者目線での薬歴が書けているのか」という漠然とした思いを抱きつつも、まずまずの薬歴レベルは保持できていたのもあり、特段あらためて薬歴AIサービス導入の必要性は感じていませんでした。何より、とにかく日々の業務を終えることが最優先と言わざるを得なかったためです。とはいえ薬歴AIに関わらず、日頃から薬局DXへの興味・関心は強かったため、各社による薬歴AIリリース動向からも目を離せずにおりました。そんなとき学会で偶然出会ったのがmediLab代表(AIオタク社長)であり、同社の薬歴音声入力AI「Kakeru君」でした。サービス概要を聞いた当初から興味はありつつ、せっかくなら他社の薬歴AIサービスとも徹底比較してみたい気持ちがあったため、いくつか試してみることに。複数サービスを試す中で、自身の比較ポイントとして外せなかったのが文字起こし精度><SOAP作成レベル><薬歴への挿入時の簡易性>の3点です。

 まず<文字起こし>観点で優位性を感じたのは、「Kakeru君」ですね。 他社プロダクトも精度そのものは悪くなく、話者分割も適切ではあるのですが、文字起こし時点で、システム側から呼べるはずの医薬品情報や患者特性が抜け落ちる危うさが見られました。対して「Kakeru君」は精度高く、漏れなく医薬品情報を拾ってくれるため、安心感ありましたね。<SOAP作成レベル>においても、「Kakeru君」の場合、生成内容が実際の指導内容と乖離することなく安心感がありました。一方で他社の場合、SOAP生成後の文章ニュアンスが、実際の指導内容とはかなり乖離してしまう印象。パイロット時のユーザーフィードバックの影響か、行っていない指導をあたかも行ったかのような記載に寄る傾向も見られました。ちなみに「kakeru君」で興味深いのは、AIチャット等を通じてKakeru君自身を学習させれば、「自分の思い描く薬歴」の形に向け、どんどん学習してくれることですね。「薬剤師各人が求める理想の薬歴に近づいてくれる」のは非常に画期的で、今後もさらにmediLabが得意とする“AI学習度合い”が進化するであろう点に興味を惹かれました。

 最後に<薬歴への挿入時の簡易性>という観点のみ、他社にやや軍配が上がったでしょうか。SOAP生成前の文章がそのままコピー、あるいはSOAP生成前に、SOAPに渡す文字起こし文章部から不要箇所をそぎ落としてSOAP生成させることも可能なため、結果的に「的を得たSOAP」になり得る点が評価できそうです。一方「Kakeru君」は、服薬指導後に文字起こしされた内容をコピーしないと、薬歴側に反映されない点が課題と捉えました。今後は、様々な薬歴システムとのスムーズな連携を期待したいですね。 実はこっそりとこんな比較をしてしまい、mediLabさんゴメンナサイと思いつつ、「Kakeru君」は

◎いつものタブレット一つでOK!何か別の機器設置も、一切不要
◎服薬指導スタート時に、タブレットの録音マイクをONするだけ

という至ってシンプルなプロダクト構成であると知り、さらにこれが導入の決め手となりました。「他にも別の機器設置の必要があって…」と言われたら、大抵どこの薬局でも一定の検討期間を要するものですが、「Kakeru君」にはその懸念がなく、とにかく服薬指導スタートと同時に、タブレットの録音マイクさえ忘れずにONすれば、すぐに利用開始できる点が魅力の一つですね。そんな訳であれこれ悩むことなく、「とにかく使ってみよう!服薬説明時、録音ボタンだけ忘れずに押せばいいんだ」と考え、めでたく「Kakeru君」ユーザデビューを果たした訳です。

Kakeru君を使ってみて良かった点

2.2 「Kakeru君」導入後の薬歴業務の変化~ 実際に使ってみて~

■「Kakeru君」良かった点①:
 従来の薬歴定型文ベースに縛られた形での指導という習慣から脱却でき、より患者目線での服薬指導ができるようになりました。その結果、患者さんの方をより向いて話せるようになったと感じています。これまではいわゆる「型」にハマった指導にならざるを得なかった上、そうしないと、業務そのものが終わらなかったのも事実ですね。

■良かった点②:
 文字起こし精度技術が非常に高く、一言一句漏らさず拾ってくれるため、自分の服薬説明が「患者にどう聞こえているのか?」を振り返る視点ができ、自身の話し方の癖を客観的に評価できるようになりました。また第三者目線で記録を起こすので、転記時に修正が少なくなるよう、曖昧な表現を避ける習慣ができたと言えます。たとえば「この薬」「前の薬など」ではなく、薬剤名などをより具体的に話すよう心がけるようになった点も大きなメリットです。

■良かった点③:
 仮に音声で拾った薬剤名が一部のみ違ったとき、Kakeru君への報告ボタンから「違ってるよ!」とAIチャットで送ると、直後に該当箇所が自動的に訂正される機能などは、mediLabならではの最新AI技術の極みと感じます。「ここがちょっと違っているかも」といった指摘に対し、一般的なベンダーだと、ここまで迅速な修正対応は難しそうですが、スタートアップならではのレスポンスの速さのおかげで、ストレスなくサービス利用できています。また「こうだったら良いのに…」といったリクエストも忌憚なくリアルタイムに伝えることもでき、ベンダーとユーザで共にプロダクトを良くしていく感覚があります。

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2.3「Kakeru君」がココを楽に!
~従来の薬歴業務との比較から~

 さて「Kakeru君」導入に伴い、同じ時間をかけても、より中身ある薬歴が書けるようになったという前提のもと、具体的に「わたしの薬歴業務、ココが楽になった!」点をいくつかご紹介しましょう。

■予め下書きしていた内容の手直しに要する時間が、2分程度削減
■時間がなくてすぐに薬歴記載に取り掛かれなくとも、後から記載することが容易になった。思い出す手順が不要になったため、数分節約できるように。
■短縮した時間を患者フォローアップ計画の立案に割くことができるようになり、より充実したフォローアップとトレーシングレポート作成、加算算定率の向上につながった。

これらは「期待していた薬歴業務の効率向上」という面において、目に見える変化であったと言えますね。

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3.最後に
3.1 薬剤師としての働き方で見えてきたこと

 他社プロダクトとの比較の上、最終的に「Kakeru君」を選んで下さったS氏。<服薬指導内容を文字起こし→SOAP生成>という薬歴AIサービスとして当然の機能に加え、mediLabならではの<+α機能>を評価頂いた点も大きかったようです。まさに前述の「良かった点③」はその良い例でしょうか。また「薬歴に対する考え方」「自身の薬剤師としての働き方」という、広い意味での変化も感じられたそう。たとえば、服薬説明時には「伝わる指導≒こそあどを避ける、話すスピードに気を付ける」を心掛けるようになったほか、

■記録に割く負担、時間そのものが減るので、服薬説明、薬歴作成、フォローアップに対する考え方により深みが増した。具体的には、
 ・最近の勉強会等で得た知見を踏まえた会話内容の充実化
 ・薬剤が開始・変更となった患者へのフォローアップ計画と実施件数の増加
■従来の「記録ありきの指導」から脱却し、「患者のためのオーダーメイド指導」を意識できるようになった。具体的には、
 ・指導内容と直接関連しない他愛のない会話等から、患者背景をより深く理解するためのヒントを得られた
 ・A項目として患者理解度の推測と評価を併せて行ってくれるので、これに基づいたフォローアップ計画が立案しやすくなった

点などを挙げて下さいました。
「Kakeru君」ご利用を通して見えてきた「薬歴に対する考え方」「薬剤師としての働き方」の変化にまで触れたご感想・コメントをお寄せ頂けるとは、mediLab開発陣一同、エンジニア冥利に尽きますね。


3.2 mediLabが考える「未来の薬歴AI」の在り方とは

 さて今やGeminiなど身近なAI技術の力を借りれば、誰もが簡単にSOAP生成から薬歴作成まで可能な時代となりました。こうした簡易さは一見利便性高く、低コストで導入しやすいという評価に結び付きがちですが、調剤薬局における薬剤師と患者との対話、服薬指導という実際の活用シーンにおいて、そのような廉価な薬歴AIシステムでは、S氏が先に語ったような「薬歴としての真価」はまだまだ発揮しがたく、薬局現場ニーズに十分に応えらないのが実情です。
 
 最後に、mediLabが開発・提供する「Kakeru君」は、こうした廉価なサービスとは全く一線を画している旨お伝えしておきましょう。なぜならプロダクト構築において活用する手法が他社とは全く異なるからです。詳しくは、近日公開予定の別コラムにて、実際に「Kakeru君」開発に携わったmediLab屈指のエンジニアが解説してまいりますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。またmediLabでは、こうした最新AI技術活用に加え、ユーザ薬局様の声にしっかりと耳を傾けることを重視しています。今後は「単に薬歴を書くためだけのシステム」に留まらず、このシステムがその先どこへ行くべきか?薬剤師なりのパーソナリティの尊重まで想像した、薬剤師の未来を見据えたシステムづくりを目指したく、日々議論を重ねています。言い換えると、「この薬剤師さんはどのようなシーンで輝くのか?この人が輝くためには、どのようなシステムで、どうサポートすべきか?」といった視点まで盛り込んだ開発・取り組みです。
 
 こうした視点によるプロダクト作りは、数ある調剤薬局に実際に足を運び、多くの薬剤師さん達と出会い、会話を重ねてきた弊社代表(自称:AIオタク社長)だからこその発想です。これからの時代、「オンライン服薬指導で、必ずこの人が選ばれる薬剤師!」といった切り口もありそうですね。薬剤師個々の活躍イメージ像、現場での活用シーンを描いていくことは、私達mediLabにとってもワクワクする瞬間です。今後は「kakeru君」をリアルに体験できる場の提供もweb企画してまいります。ぜひ皆様も私達と一緒に、「薬剤師の未来」を考えてみませんか。お問い合わせ・ご感想は、こちらからお気軽にどうぞ!

インタビュアー・執筆:mediLab広報(調剤大好きC子)

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